島根県は、『古事記』に書かれた神話の舞台になっている場所がたくさんあり、まさに神社の宝庫のような土地です。
今回は巫女である私が、島根県に行ったら是非尋ねてほしい神社をご紹介します。
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まずは縁結びで有名な八重垣神社をご紹介しましょう。場所は、松江駅からバスで20分ほどのところにあります。
この神社ではスサノヲノミコトとクシナダヒメノミコトが祀られています。
スサノヲは暴れん坊の神様として有名ですが、その勇敢さから、八つの頭を持つヤマタノオロチという大蛇を退治しました。
スサノヲがヤマタノオロチと戦う際、いけにえとなる予定だったクシナダヒメをお隠しになるために八重垣を作りました。
その後スサノヲとクシナダヒメは夫婦になり、この土地に宮を作ったことから、八重垣神社は縁結びに効果があるとされています。
縁結びに関する占いができる名所として、境内の中にある「鏡の池」が有名です。
まず神社で占い用の紙をいただきます。池にこの紙を浮かべ、その上に硬貨を乗せます。紙は硬貨の重みで徐々に沈んでいきます。
この沈み方で、どんなご縁があるかが占えます。
15分以内で沈めば早く良縁に恵まれ、30分以上かかると良縁が来るのはまだ先だということです。
また近くで沈めば身近な人、遠くで沈めば遠くの人とご縁があるとのことです。
こちらはかなり観光地として人気の神社です。
お互いに譲り合って、気持ちよくご利益が得られるように行動しましょう。
続いて、何か願い事を叶えたい人にオススメの神社をご紹介します。こちらは玉造温泉駅から歩いて10分ほどで着きます。
この地域は玉造という名があるように、勾玉の生産地として有名でした。
玉造湯神社は、勾玉などの制作をした玉造部の祖先とされる、クシアカルダマノミコトの神様が祀られています。
ここの名所は、願い石と呼ばれる丸くて大きな石です。願い石にしっかり願掛けをして、ご利益を得ていただきたいと思います。
まず社務所で、叶い石というものをいただきます。和柄の小さな巾着袋と、ビーズくらいの小さくて丸い石と、二枚重ねて複写できる紙が入っています。
石の種類は袋を開けてからのお楽しみですが、和柄の巾着袋は好きなものを選べます。
願い石の前にきたら、石の下のほうから水が流れているので、まず叶い石を洗います。次に叶い石を願い石にくっつけ、心の中で願い事をとなえます。
その後、二枚重ねて複写できる紙に願い事を書き、一つは神社へ、もう一つは叶い石と一緒に巾着袋に入れて、常に持ち歩くようにします。
願い事は、他の人には絶対に秘密にしておきましょう。願いが叶ったら、玉造湯神社に再度お参りして叶い石を納めてください。
また駅から神社に向かう途中にある、玉湯川沿いの道も観光におすすめです。
古事記の神話に基づいたオブジェがあったり、アクセサリーショップがあったり、足湯ができる場所があったりと、歩いているだけでも御利益をもらえそうな街並みです。
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最後に、商売っ気が一切ない、厳かな雰囲気の神社をご紹介しましょう。こちらは松江駅から車で15分ほどのところにあります。
夫婦で日本列島を創られた神様である、イザナキノミコトとイザナミノミコトを祀っています。
この神社、鳥居から境内にたどりつくまで長い道のりなのですが、非常に静かで穏やかな気持ちになれます。
まず鳥居をくぐると、一直線に延びた道があり、やがて長い石段があります。このあたりは木々で囲まれていて、夏でも涼しく感じられるほどです。
その途中に、苔むした水受けのある手水が現れます。竹筒から勢いよく流れて来る水を、竹で出来たひしゃくですくいながら、手や口を清めます。
さらに木々に囲まれた石段を登ると、社殿が姿を見せます。この社殿が非常に素朴で神聖な雰囲気を漂わせています。
本殿は大社造という古代の宮殿の形式で、日本で現存する最古のものといわれています。
手前に参拝するための拝殿、後方には床が高くなっている本殿があります。拝殿と本殿は階段でつながり、階段部分にも屋根があります。
床が高いので自然と本殿を見上げることになり、神様への敬意が自然と生まれます。
この神社は、特に観光名所のようなものはなく、神主さんも常にいるわけではありません。そのため、御朱印やお守りも手に入らないことのほうが多いです。
純粋に神様に日々の感謝を述べ、安寧を祈る―――そういった本来の神社の姿が見られる、とても貴重な神社だと思います。
島根県は、寺社仏閣が都心部に数多く集まっている京都などとは異なり、神社が点在していることが特徴です。
よって自然に囲まれた場所が多く、素朴で清々しい空気を感じられます。
かの有名な出雲大社に訪れるのも良いですが、島根県にお越しの際は少し足をのばして、いろいろな神社に参拝してみるとよいでしょう。
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