現役国語教師が伝える、日本の古典文学の魅力三選!【保存版】

トップページ学問について> 日本の古典の魅力3選

現役国語教師が伝える、日本の古典文学の魅力三選!

古典の魅力

 

あなたは古典と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?

 

苦手、眠くなる、つまらない…?悪いイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

 

現役国語教師である筆者が、日本の古典文学の魅力をお伝えします!

 

 

スポンサーリンク

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

【魅力1】言葉の面白さを楽しめる!

私が古典を好きになったのは、言葉の意味の奥深さや、独特なリズムに惹かれたからでした。

 

うたかた、をかし、あさぼらけ、おほとのごもる…古典には、今では使わない言葉がたくさん登場します。

 

中学校に入って初めて古典を学んだときは、言葉の意味を辞書で調べ、古典が本文で読めるようになっただけで、暗号が解けたように楽しく感じられたものでした。

 

また現代語にない独特のリズムも魅力の一つです。

 

『平家物語』で那須与一が船上の扇を射る場面では、「ひやうど放つ」、「ひいふつとぞ射切つたる」など、力強くリズミカルなオノマトペ(擬声語)が使われています。

 

百人一首などの短歌は、五七五七七という一定のリズムで読まれています。

 

中学生のときにはこれらの暗唱テストがありましたが、意味が分からなくても声に出して読むだけで楽しかった記憶があります。

 

本文の意味が分からなくても構いません。最初は、この言葉好きだな、このリズム心地よいな、という感覚が大事だと思います。

 

音楽だと思って、古典を声に出して読んでみてください。自分にとっていいなと思う言葉、リズムの心地よい文は、必ず見つかると思います。

 

まずは純粋に、言葉遣いや音の響きを楽しんでみてください。

【魅力2】独特の感性を学べる!

価値観や感性は、時代ごとに異なるものです。今とは異なる価値観を知ることで、自分の世界観を広げられることも、古典の魅力の一つでしょう。

 

平安時代に書かれた『堤中納言物語』という短編物語集には、「虫めづる姫君」という話があります。

 

毛虫が好きな変わったお姫様が主人公です。この姫君の変わっている点として、眉を剃らず、真っ白な歯であることが挙げられています。

 

現代ならば、眉毛があり、歯が白いのは変なことではありませんね。しかし当時の女性は成人すると、眉毛を全て剃り、お歯黒にするのが普通でした。

 

今と昔では、美についての価値観が全く違うことが分かります。

 

また、周囲から変人だと思われても、自分の信念を曲げずに貫き通す姫君は、時代の流れに縛られない生き方の大切さを現代の私たちにも教えてくれます。

 

他にも、笑いの種になる話を探すつもりで古典を読んでみると、我々よりもはるかに想像力豊かで面白い話があることに気づくでしょう。

 

たとえば日本の神様の物語が書かれた『古事記』には、イザナミノミコトという女の神様が排泄した汚物が神様になったり、オオモノヌシという神様が一目ぼれした女性の大便中に矢の姿になって現れたり、我々の常識を超えた物語が展開しています。

 

人の生き方というのは時代の制約を受けています。

 

だからこそ、別の時代の価値観を学び、現代の価値観を見直すことが、未来を発展させる力につながります。

 

古典を読むことは、単に昔のことを知るためだけではなく、現代の制約を受けた私たちの発想力を、より豊かにするためでもあるのです。

 

スポンサーリンク

【魅力3】昔の人と共感し合える!

楽しいこと、嬉しいこと、辛いこと、悲しいこと…自分の考えや思いを誰かと共感できることは、生きる希望につながりますよね。

 

どんな時代や状況でも、共感し合える仲間が増やせるのも、古典の魅力だと思います。

 

大切な人と離れ離れになってしまったとき。仕事で失敗してしまったとき。

 

「祇園精舎の鐘の声…」で始まる『平家物語』には、どんなに栄えていても、やがて衰えていく人々の様子が描かれています。

 

平清盛に愛されていたのにあっさり捨てられた遊女の祇王の悲しみや、名を馳せた大将軍の木曽義仲がたいしたことのない敵に殺されるあっけなさ。

 

これらを読むと、理不尽な状況で苦しんでいるのは自分だけではないという気持ちになれます。

 

また古典は、日常生活で抱くささやかな思いにも寄り添ってくれます。

 

『枕草子』には、清少納言が日々思ったことが赤裸々に書かれています。

 

たとえば、説教をする坊主はイケメンがいいとか、忙しい時に突然来て長話する客は最悪だとか、現代人でも共感できる部分がたくさんあります。

 

元号「令和」の由来になった『万葉集』の梅の花の歌には、梅の花を頭に挿して宴会をした人たちの様子が描かれています。

 

その様子は、春に桜の下でネクタイを巻いて酔っぱらっているサラリーマンを思い起こし、なんだか親しみさえ感じてしまいます。

 

たとえ周りにいる人と共感できなくても、古典はいつでもあなたのそばにいて、強力な味方になってくれることでしょう。

まとめ

学校の古典教育は文法中心になりがちで、苦手意識を持たれる方も多いと思います。

 

しかし、受験のためではなく、自分の心を豊かにするためだと思えば、古典を読むことが楽しくなるでしょう。ここに書いたおススメの古典は一部でしかありません。

 

原文が難しければ、現代語訳やマンガやドラマでもよいでしょう。ぜひいろいろな古典に触れて、様々な魅力を発見してみてください。

 

スポンサーリンク

 

関連する人気記事

「古事記」の面白いエピソード3選

 

「万葉集」でオススメの和歌3首

 

「源氏物語」で好きな女性キャラクター3選

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加