男女問わず、日本人はギリシャ神話が大好き!ではローマ神話はどうでしょう? 食わず嫌いしていませんか?
実はギリシャ神話とローマ神話は密接な関係にあるのです。おぼろげに浮かんできたものではない歴史であり、れっきとした事実なのであります。れっきとした歴史(爆)。
今回はそんなギリシャとローマの密接な関係に密着し、ローマ神話も美味しく頂くというコンセプトでやっていきたいと思います。
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ローマ神話には2種類あります。古代ローマの建国の歴史、そしてギリシャ神話のローマ的翻訳です。(ローマの建国神話については今回は割愛します)。
おおざっぱに言えばギリシャ神話を古代ローマ人が翻訳したのがローマ神話です。元々古代ローマ人は独自の信仰を、恐らく持っていました。
そこへ古代ギリシャと邂逅、その影響を多大に受け、「これは凄い!かっこいい!」と思ったかどうかは定かではありませんが、次々とギリシャ神話要素を自らの信仰に取り入れ、ついには同一化するに至ったのです。
「大事な信仰をごちゃ混ぜするなんて、そんな無碍に扱っちゃっていいの!?」と思うかもしれませんが心配はいりません。
これは『シンクレティズム』といい、こういった信仰や文化の合わせ技は、古代ではごく普通のことだったのです。
日本でいえば神仏習合などが有名ですね。現代人の我々と違い、古代の人々はとても大らかな価値観を持っていたのかもしれません。
古代ローマ人は自分たちの信仰していた神と、ギリシャ神話の神との相違点を見つけ、次々と同一視していきました。神話の配役もローマの神々にとって代わりました。
そういうわけでゴマ塩程度の違いはあるかと思いますが、大体はローマ神話=ギリシャ神話と言っても過言ではないでしょう。
それでは代表的なローマの神々とギリシャの神々を見比べてみましょう。
ユピテルは雷の神でありローマの主神です。木星の英語読みジュピター(Jupiter)の語源にもなりました。
ゼウスは皆さんご存知の通りギリシャ神話が誇る最強かつ最凶の淫乱クソエロジジイであり、やはり雷を司る主神です。
ゼウスの数多のドスケベエピソードがユピテルにも輸入されたかどうかは分かりませんが、もしされていたとしたらド変態が2人に増えてしまうことになり、それはもうゲキヤバって感じになりますね。
フォルトゥナは運命の女神です。フォーチュン (fortune) の語源ともされています。
前髪しかなく後頭部はツルッパゲとも言われていますが、これは過ぎ去ったチャンスは後から掴むことはできないということを表しています。
一方ギリシャの運命の女神テュケーですが、特段ハゲてるようには見えません。
ギリシャにはチャンスを司る「カイロス」という神様がいますが、この神の後頭部は見事なスキンヘッドだとされています。
もしかしたらテュケーとカイロスが同一視され、それがさらにフォルトゥナに輸入されたのかもしれませんね。
マルスはローマ帝国が誇る偉大なる武勇の神です。
英語ではマーズすなわち火星に当たります。古代ローマにてトップクラスに人気のある神様であり、青年の理想像とされました。
一方ギリシャの戦争の神アレスは、それはもう信じられないくらい人気がなく、神話での扱いも散々でした。
血筋も良く絶世のイケメンフェイスの持ち主でしたがとにかく性格が最悪の一言で、粗暴で残忍かつ不誠実、そのうえ大して強くないうえヘタレでしょっちゅうボコボコにされるという、何一つとして良い所のない不遇の神様でした。
アレスの気質はギリシャ人よりも戦闘民族であるローマ人に良く合ったということなのでしょうか。
土地柄が違えばこんなにも扱いが変わものなのですね。
何もかもが一緒くたにされたわけではありません。ギリシャ化が進んでも、独自のオリジナリティを保つ神様も存在しました。
ローマの門の神・始まりと終わりの神。前頭部と後頭部その両面に顔があり、物事の表と裏を見る能力があります。
ローマの自由を司る女神です。実は世界的に有名な女神様でもあります。
そう、ニューヨークに建っているあの人です。(一説によるとギリシャのエレウテリアという女神と対応しているらしいです)。
いかがだったでしょうか? ローマ神話というのは実に奥が深いものです。マジでありとあらゆる属性の神様が無数にいますからね。痒いところに手が届きますね。
それだけ古代ローマの人々は信心深かったということでしょう。この記事とっかかりに皆さんも是非ローマ神話について色々と調べてくださいね。
それではカルタゴに塩をまきながら…See you again!
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