みなさんも糖尿病という病気について聞いたことがあると思います。
もはや国民病ともいえるほどに、その患者さんの数は年々増加しています。
糖尿病の予防のために、運動しなさいとテレビでもよく言われてますね。
しかし、なんで運動が糖尿病に良いのか知らない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では運動をリハビリテーションの視点から解説して、糖尿病への理解を深めることができる内容になっています。
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インスリン分泌障害(インスリン自体が出なくなってしまう)やインスリン抵抗性亢進(インスリンは出るが、効き目が弱くなる)といった、インスリンによる血糖値を下げる作用が不足する病気です。
本来はインスリンの作用によって、細胞内に糖を取り込むことができます。
しかし糖尿病では、血中にほとんど糖が残ってしまいます。
糖尿病により
@手足の感覚が分からなくなる
A目が見えなくなる
B手足に痺れを感じる
などの特徴的な症状が見られます。
ここで重要なことは、人体の中で血糖値を下げることのできるホルモンは「インスリン」のみであることです。
そのインスリンが正常に働くことで
@肝臓、筋、脂肪組織へ糖を取り込む働きを活発にして血中の血糖値を下げてくれる
A血中から取り込んだ糖を基に、グリコーゲンや脂肪を合成して組織に貯蔵してエネルギーをためてくれる
インスリンは普段、口にする食事を正しくエネルギー源として細胞にためる働きをしているため、生きていくために必要なものです。
運動は筋肉へ糖を取り込みやすくする効果がある。また、運動による糖取り込みが活発になる現象はインスリンと関係なく起こるものです。
それでも運動は、インスリンにも影響を及ぼします。
運動した後には、インスリン感受性亢進が起こります。これは体の中のインスリンの量は増えなくても、インスリンが本来持っている効果が高まることです。
そのため量は変わらないが、血糖値は下がるということです。
運動により血糖値がコントロールできると、動脈硬化が予防できます。
そのまま運動を継続することで、インスリンの作用が正常になり薬を使わなくても糖尿病が悪化しなくなります。
※運動には注意が必要です。
負荷の高すぎる運動は、インスリン拮抗ホルモンといわれる血糖値を上げてしまうホルモンを過度に分泌するため、血糖コントロールを悪化させてしまうことがあります。
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・糖尿病の人は、食後高血糖と言われる症状が見られます。食後〜食後1時間程度で血糖値がピークになる状態です。
そのためそのタイミングで、運動をすることが望ましいです。
※反対に食前の運動はよくありません。食前に運動するとインスリンが効きすぎてしまい、低血糖になる可能性があるためです。
・運動をする時間は20分〜60分程度です。また頻度は、週に3〜5回の運動が必要になります。
それは、運動によるインスリンへの良い効果が2日間で消失してしまうためです。
おススメの運動はレジスタンス運動、有酸素運動です。
筋肉に軽い負荷をかけることで筋肉をつける運動です。
筋肉をつけるメリットは、筋肉量を増やすことで、筋肉内に取り込める糖の量が増えるからです。
また筋肉量が増えることで代謝量が増えるため、体重も減らすことが出来るので根本的に体の改善が出来るためです。
※注意点として、糖尿病の人は過度な運動を行うことで、糖尿病を悪化させるホルモンが出てしまうため過度な負荷は危険です。
運動としては、ダンベルトレーニングや自重での筋力トレーニングが当てはまります。
5分以上続けても疲れすぎない全身運動のことです。
メリットは、糖尿病の人は心機能が低下しやすいためそれを予防できることです。
また器具を必要としないためすぐにでも始めることが出来ます。
ジョギングや散歩、水泳などが当てはまります。
糖尿病患者の中には、運動療法を禁止あるいは制限しないといけない人もいます。
・糖尿病の代謝コントロールが極端に悪い(空腹時血糖250mg/dl以上または尿ケトン体中等度以上陽性)
・心肺機能に障害がある
・増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある
・高度の糖尿病自律神経障害がある
・腎不全がある
運動を始める前には、十分な検査が必要です。
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・糖尿病に対する運動はインスリンと言う本来持っている血糖値を下げるホルモンを分泌することに対して有効。
・糖尿病に対して有酸素運動は有効、また食後1時間前後がより効果的。
・運動をすることで重症化してしまう人もいるため、運動前にまず病院で検査をしてもらうことが必要。
参考文献
1、医療情報科学研究所「病気が見えるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌第4版」,2014年/株式会社メディックメディア
2、柳澤健「運動療法学改定第2版」,2011年/金原出版株式会社
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