私は新任の頃、数多くのミスをしました。
少しでも教育現場の実態や子どもの気持ちを理解していたら、防げたこともあったと思います。
教員歴5年目の筆者が、新任のときにやってしまった失敗と、その対策をお伝えします。
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私は始め、自分の話を聞かせることが大事だと思い、生徒から質問や不満を言われても耳を傾けず、淡々と授業を進めていました。
すると他の先生から、生徒の言葉も聞いてあげるようにという注意を受けてしまいました。
生徒は特に新しい先生に興味津々です。授業中でもお構いなく、突然話しかけてきます。
もちろん、授業に関係ない私語は控えさせるのが教師の役割です。
しかし、ときには生徒の話に乗ってあげましょう。
生徒は会話をしない教師より、会話ができる教師の話を聞きます。
授業ではつい教えようという思いが強くなりがちですが、まずは生徒と話せる関係を築くことが大事だと実感しました。
生徒の話を聞くと、何に興味を持ち、何を考えているのかを知ることができ、それを元に授業で扱う内容を考えることができます。
学問はたくさんの人間の考えをぶつけることで、深みが増すものです。
授業は教師一人で作るものではなく、生徒と教師で協力して作りあげていくものなのです。
新任教師は、授業カリキュラムを確実に進め、正しく教えなければ、という焦りを抱きがちです。
しかしそう思えば思うほど、生徒との間に壁ができて、一人よがりの授業になりがちです。
授業が上手くいくことより、目の前の生徒が何を求めているのかを考え、信頼関係を築くことのほうが大事だと思います。
教師は、着任した瞬間からプロにならなければいけません。
ある程度大きく見せる演技は必要ですし、誇りを持つことは大事です。しかし、身の程をわきまえないのはよくありません。
失敗を認めたうえで成長していける教師が、信頼を得るのです。
新任だと、自分のオリジナルな授業をしたい、自分が調べてきたことを全て出したい、と思いがちです。
しかし、気合いを入れた授業ほど空回りします。
まずは生徒のニーズに合わせ、どうしたらテストで点が取れるようになるかに集中しましょう。
基本的なことが出来るようになってから、ようやくテストに関係ないような雑学的な話をする資格が得られ、生徒も耳を傾けてくれるようになるのです。
また、自分が分からないことは正直に分からないと言い、調べてから答えるようにしましょう。
私は初年度、生徒から「◯◯先生と言っていることが違う」と言われたり、分からないことを質問されたりしたとき、適当にごまかして答えていました。
後から調べると、自分の方が間違っていたことが分かりました。
間違ったことを言い続けると、生徒は「どうせ訂正がある」と思い、真剣に授業を聞かなくなります。
自分を大きく見せることより、自分の無力さを受け止め、まだ勉強中だけど頑張っているという姿を見せることで、失敗しても温かく見守ってもらえるようになります。
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授業や生徒との関係が上手くいかないとき、新任教師は自分のせいだと思い込み、一人で解決しようとしがちです。
しかし多くの問題は、自分の授業以外でも同様の場合がほとんどです。担任や同じ生徒を受け持つ先生に、些細なことでも報告しましょう。
私は生徒同士が日々小さないじり合いをしていたことを報告せず、ある時授業中に大喧嘩になって担任の先生が駆けつけて来たことがありました。
そのとき担任の先生から、「あなたはそういう授業の雰囲気を作っていたのですか」と言われてしまいました。
問題を隠していると、いざという時に助けてもらえなくなり、自分が責められることになります。
日々状況を報告することで、他の教員との信頼関係が生まれ、協力が得られるようになります。
自分一人で問題解決しようとする姿勢より、些細なことでも報告し合える教員との関係性が、失敗を乗り越える力となるのです。
また、同じ授業内容を教える先生と、指導基準の打ち合わせは綿密に行っておきましょう。
たとえば、私は◯にすると言った解答が、他の先生は×にするという指導をしていたことがありました。この場合、基本的には新任が従わなければなりません。
生徒には散々文句を言われました。指導基準は先生ごとに異なりますので、事前に疑問に思うことは聞いておくべきでしょう。
教員は常に忙しく、なかなか話す時間を作りにくいものです。
しかし、少しの時間でも話しかける習慣をつけましょう。教員同士の信頼関係を築くことで防げる失敗はたくさんあります。
新任教師にとって一番の失敗は信頼を失うことです。一番したくない失敗ですが、最もやりがちなことでもあります。
新任はベテランと比べて、知識も経験もないのは当たり前です。でも若いからこそ、たくさん失敗し、いろいろな解決策を試すことができます。
失敗の蓄積は、筋トレと一緒です。今は辛いかもしれませんが、克服していけばいくほど自分の力になり、様々なことに対応できるようになります。
新任のうちにたくさん失敗しましょう。そして失敗を認め、できない自分を受け止めることからはじめましょう。
また教員歴が長くなっても、常に新任の気分で取り組む姿勢を持ち続けたいものです。
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