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「源氏物語」で好きな女性キャラクター3選

 

美男子・光源氏が主人公の、平安時代の長編恋愛物語である『源氏物語』。平安時代の文学作品をはじめとして、現代の小説にも影響を与え続けてきました。

 

その魅力は、物語の劇的な展開と、個性的かつ多彩なキャラクター設定にあるでしょう。

 

そんな『源氏物語』に登場する、私の好きな女性のキャラクターを、それぞれの個性が出ている和歌とともに紹介したいと思います。

 

 

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【その1】夕顔(ゆうがお)

儚げで思わず守りたくなる女性

夕顔は、常に一歩引いた態度で、憂いのあるところが、どこか人を惹きつける女性です。

 

出会いは、光源氏が夕顔の花の咲く家を見つけたところから始まります。光源氏に気づいた中の女性(夕顔)は、扇の上に夕顔の花をのせて渡します。

 

これがきっかけで、光源氏は夕顔の家に通うようになります。

 

あるとき光源氏が夕顔に、「私はこのような恋の経験を知らなかった、あなたは過去にそんな経験がありますか」と尋ねると、夕顔は次の歌を返します。

 

山の端の 心も知らで ゆく月は 上の空にて 影や絶えなむ
(山の端の心も知らないで行く月は、空の上のほうで姿が消えてしまうのでしょうか)

 

この和歌にある「山の端」や「月」が誰を指すのかは諸説あるようですが、後半部分からは、愛しい人が去った悲しい過去の経験と、光源氏もいずれ去ってしまうだろうという不安の心情が読み取れます。

 

恋が終わる辛さを知りつつ、男を拘束することもせず、ただ我が身を任せる――そんな夕顔の姿は、よりいっそう弱弱しく、守りたく感じられたことでしょう。

 

最終的には、夕顔は霊に取り憑かれて死んでしまいます。

 

短い交際期間でしたが、光源氏は夕顔がなくなって二十年ほど経った後も、「ひたぶるにらうたき」(ひたすらかわいらしかった)と評価しています。

 

どこか儚げで、二度と手に入らない女性――だからこそ、いつまでも夢に見て恋い焦がれてしまうのでしょう。

【その2】六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)

プライドが高くて嫉妬深い年上女性

六条御息所は、光源氏より七歳程度年上の未亡人女性です。若い光源氏にとって、知的教養や恋の機微など、六条御息所から学ぶことは多かったでしょう。

 

しかし次第に光源氏は六条御息所のことを重苦しく感じ、足が遠のきます。

 

光源氏が来なくなるほど、六条御息所の想いは増していきます。六条御息所は、光源氏の正妻である葵上が出産する時、生霊として取り憑きます。

 

六条御息所は葵上の口を借りて、光源氏に自分の想いを和歌で伝えます。

 

嘆きわび 空に乱るる 我がたまを 結びとどめよ したがひのつま
(嘆き苦しんで、空にさまよう私の魂を、着物の下前の褄を結んでつなぎとめてください。)

 

自分ではどうすることもできないさまよう魂を、どうか止めてくださいと訴えています。

 

六条御息所も好きで生霊になっているのではありません。抑えきれない光源氏への想いと、他の女性への嫉妬があふれ出て、生霊となってしまうのです。

 

普段クールに装っているのに、裏で激しい気持ちを煮えたぎらせ、そんな自分に悩む六条御息所。

 

強がりながらも恋に苦しむ弱さが、私にはかえって人間的で愛おしく思えます。

 

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【その3】紫上(むらさきのうえ)

無邪気で甘え上手だけど空気が読める年下女性

紫上は、ずっと光源氏の側にいて愛され続けた女性です。

 

はじめて会ったのは光源氏が病気の療養をしていた先で、彼女は光源氏より八歳程度年下の幼女でした。

 

実は紫上は、光源氏の想い人である藤壺女御の姪っこで、なんと顔立ちもそっくり。

 

どうしても紫上を自分の側に置きたくなった光源氏は、父親代わりとして紫上を引き取ります。

 

そして紫上が大人になると、強引に男女の関係を結びました。はじめ何事か分からず怒っていた紫上も、次第に光源氏に心を許していきます。

 

二人は心から愛し合っていましたが、紫上は身分上、光源氏の正妻にはなれませんでした。

 

光源氏は、異母兄である朱雀院の強引な命令で、女三宮という女性を正妻として迎えることになります。

 

光源氏が「気は乗らないけど女三宮のもとに行かなきゃ…」という小言をこぼした時、紫上は次の歌を歌います。

 

目に近く 移れば変はる 世の中を 行く末遠く 頼みけるかな
(目の前で移り変わる私たちの仲を、末長く、と思ってあてにしていたのだわ)

 

紫の上は、光源氏が他の女性を褒めると嫉妬しますが、重苦しくなく、可愛くすねます。

 

このときも光源氏を直接責めることはせず、あてにしていた私がばかだったのね、といういじらしい言い方をします。

 

『源氏物語』の最初のほうで、男たちが理想の女性像を語る場面がありますが、「浮気して全く嫉妬されないのも寂しい」なんてことを言っています。

 

重くないけど嫉妬してくれる紫の上は、まさに理想的な女性です。

 

また紫上は自分の立場をわきまえて、正妻である女三宮のもとに早く行くよう促します。

 

子供のように可愛らしく嫉妬しながらも、光源氏のことを考えて身の程をわきまえた行動をする、大人らしい部分もあるのです。

 

そうした二面性が紫上の魅力であり、光源氏が唯一何でも言えて、甘えられて、頼りにしていた女性だと思います。

まとめ

『源氏物語』は古文で読むと難しいですが、今では現代語訳や漫画など、手軽に読める作品になっています。

 

ぜひ一度自分が理解できる方法で『源氏物語』を知り、自分の好きなキャラクターを見つけてみてください。

 


源氏物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

 

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