厄払いは、主に厄年の人が受ける祈祷や神事を指します。
厄除けとも言いますが、厳密にいえば、厄除けは厄年でない人が災難を防ぐこと、厄払いは厄年の人が災難を払うことを指すようです。
厄年は、身体的、社会的に転機を迎え、大変なことが起きやすい年と言われます。
地域によっては神輿担ぎなど神事に関わる年齢を意味し、「厄」は神様にお仕えする「役」であるとも言われます。
厄年の年齢は、新年を迎えたら今の年齢に一歳足した年齢(数え年)で考えます。男性は二十五歳、四十二歳、六十一歳、女性は十九歳、三十三歳、三十七歳です。
男性の四十二歳、女性の三十三歳は大厄といって、最も注意が必要な年齢だと言われています。
また厄年ではないけど最近悪いことばかり続いているという方も、厄払いを受けられます。
ただし神社によっては、厄年でない人は禍事払いなど別の祈祷名になる場合があるので、事前に確認しましょう。
厄払い専用の神社はありませんので、自分がいいと思ったタイミングに、好きな神社でするのがよいと思います。
ただし、どこに行けばいいのか分からない方のために、おすすめの神社をいくつかご紹介します。
スサノオノミコトは荒々しく気性の激しい神様で、ヤマタノオロチという人食い大蛇を退治した話で有名です。
ご祭神としている神社には、八坂神社や氷川神社などがあります。
オオクニヌシノミコトは、兄たちからのいじめや、舅であるスサノオノミコトから与えられた試練を乗り越えた、困難に強い神様です。
傷ついた兎を助けたという因幡の白兎の話が有名なことから、医療の神様としてもあがめられています。
ご祭神としている神社には、出雲大社及びその分社、東京では大國魂神社などがあります。
八幡様の実態は不明ですが、応神天皇と結びつき、武運の神様として武家から好まれました。また災難除けの神様としてもあがめられています。
有名なところは宇佐神宮、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮ですが、全国各地にあるので、近くの八幡神社を探してみてもよいでしょう。
山を支配する神様です。滋賀県比叡山にある日吉大社で祀られました。最澄が比叡山で天台宗を開宗した影響で、山王権現とも称された神様です。
ご祭神としているのは、全国各地にある日吉(日枝)神社、京都の松尾大社などです。
東京の日枝神社では、魔を去るという効果を意識した、「まさる守り」という猿の絵のかわいいお守りがあります。
厄払いの祈祷をしなくても、気軽に厄払いできるグッズを用意している神社もあります。
たとえば東京にある居木神社は、厄という文字をくり抜いて落とせる絵馬があります。
また埼玉の川越八幡宮には桃の絵が描かれた陶器の玉、神奈川の鎌倉宮にはカワラケと呼ばれる小さな皿があり、これらを大きな石に投げ、ぶつけて割ることで厄を払う場所が用意されています。
どちらもスッキリとした気分になれます。
また東京の阿佐ヶ谷神明宮は、全国で唯一、八難除けというあらゆる災難を除く祈祷を行っています。
いろんな方面で悪い事ばかり続いているという方は、こちらを予約してみるとよいでしょう。
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特に決まりはありません。新年を迎える元旦から節分の日までという方が多いようですが、自分の誕生日や大安の日など様々です。
時間は午前中からお昼にかけてなど、あまり遅くないほうがよいでしょう。
当日でも祈祷を受けられることはありますが、混雑状況によるので、事前に予約していくことをおすすめします。
できればスーツがのぞましいです。しかし、清潔感があって失礼のない服装でしたら、必ずしも正装でなくても大丈夫です。
祈祷を受ける前に、初穂料あるいは玉串料と書いたのし袋に祈祷料を入れ、受付の方に渡しましょう。
買い物のように、現金を生で渡すのはよくありません。
私語は慎みましょう。また祈祷中の写真撮影は禁止です。
唱え言をしているときは頭を少し下げ、神様のお力をいただく気持ちで静止してください。
祈祷が終わったら、お札やお守りなどをいただくと思います。お札は神棚に南か東向きにして置きます。神棚がなければ高いところに飾りましょう。
お守りは鞄や財布など身近なところに持つとよいです。お札やお守りは、いただいてから一年経ったら、お焚き上げをお願いします。
お焚き上げはもらった神社でなくても構いませんが、お寺には頼めないので注意してください。
厄年が終わったとき、あるいは悪いことがなくなったと感じたときに、もう一度祈祷を受けた神社にお礼参りに行きましょう。
祈祷を申し込む必要はなく、神様の前で手を合わせるだけで大丈夫です。
厄年に対する恐怖や、厄払いの作法への不安がある方も多いかと思いますが、大事なのは、冷静な心で自分に起こる出来事を見つめる姿勢です。
厄払いをして、すっきりした心で一年を過ごしましょう。
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