最近、子どものアレルギー疾患が増えています。その中でもアトピー性皮膚炎を発症することが多いです。
しかしアトピー性皮膚炎は乳幼児から発症するため、子どもよりも親の対応が非常に重要です。
また思春期以降にも発症しますが、その時にも両親の対応でアトピー性皮膚炎の治療予後が変わってきます。
そこで今回の記事では、アトピー性皮膚炎になった子どもへの両親の対応のポイントをお伝えしていきます。
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アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症しやすい病気です。
また重度の皮膚炎を発症すると皮膚バリアが破壊されたことで、体の免疫機能が低下するため食物アレルギーを併発しやすいです。
・スキンケアと外用薬ステロイドにて炎症をコントロールすることが必要です。
・スキンケアのために常に保湿が必要です。乳幼児が物に触れたり、除菌シートを使うと乾燥してしまい炎症が増悪するので注意が必要です。
・お風呂に入るときは、脱脂力が弱い石鹸を使用してください。また洗う時には泡立ててその泡で包むように洗ってください。
また入浴後は保湿剤やステロイド外用薬を必ず使い皮膚の清潔さと保湿を保ってください。
・発症のピーク時にはステロイド外用薬を使用します。
※ステロイド外用薬はT〜Wまでの強さがありますが、弱いV〜Wで十分です。
発汗が生後2か月より徐々に増加して12歳でピークとなる。そこから徐々に発汗量は効率化され14~16歳で成人と同程度になる。
つまり汗が少なくて乾燥しやすいため、保湿しないと皮膚バリアが破綻しやすくなっている。
成人も同様で乾燥しやすくなるということ!
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乳幼児期発症の食物アレルギーの多くは、加齢に伴って耐性を獲得していきます。
途中でアトピー性皮膚炎を合併することで食物アレルギーの耐性を獲得する時期が遅れてしまいます。
また年長の幼児の重症化したアトピー性皮膚炎は、ステロイド外用薬のU群のような強い外用薬を使用しないと改善が難しい場合があります。
・アトピー性皮膚炎を疑う場合には、すぐに病院へ行きましょう。適切なタイミングで治療を受けることで重症化を防げます。
・顔面や口周りの湿疹がある場合、よごれや食べこぼしを通じて口周りの皮膚から原因菌が侵入するため、皮膚の保湿や清潔さを保つことが大事です。
・発汗量はまだ少ないため、乾燥肌に対してスキンケアしてあげる必要があります。
・手洗いや入浴には、脱脂力の弱い石鹸を使用してください。また手洗いと入浴後にはしっかり保湿してください。
アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症し、学童期までに治癒することが多いです。
しかし思春期に再燃する場合が多いです。それには主に心理社会的要因の中でも特にストレスの関与が大きいとされています。
成長していく過程でほとんどの場合は適切な治療で軽快します。しかしケアをせずに放置して自然寛解することはほとんどありません。
発汗は12歳でピークになります。また14−16歳で成人と同程度になります。そのためこの時期には発汗不足による乾燥は見られなくなります。
治療はアドヒアランスという、患者が主体となって「自分自身の医療に自分で責任を負って治療法を守る」ことが大事です。
思春期は精神的ストレスが多く、それが原因で重症化しやすいためセルフコントロールが重要です。
・思春期の子供に過度に干渉せずに、必要なだけの手助けをすることです。
なぜなら思春期では子どもよりも両親が子どものことを心配してしまい、治療主体が両親になりやすいです。
そうなると治療がうまく行かなくなった時、両親がストレスを感じてしまい、子どもに当たってしまい負の連鎖が起こります。
・この時期特有の悪化因子は、受験勉強や人間関係の変化などのストレスのため、家族として寄り添ってあげることが大事です。
・この時期のステロイド外用薬は重症度に応じて、T〜W群で使い分けましょう。
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成人では働き始めるため、思春期とは違う職業要因のストレスが増えます。
すると人間関係で再燃・増悪する人が増えます。
またストレスに加えて、仕事を始めたことで生活リズムが崩れる人も多く、それによる症状の増悪もあるため注意が必要です。
治療は、セルフコントロールをして症状が緩和するようにスキンケアと適切な薬の使用が思春期以上に大事になります。
発症しても、病院を受診しステロイド外用薬を処方してもらい適切に対処すれば改善するので、必ず病院を受診してください。
子どもだけではなくアトピー性皮膚炎は、大人も発症する病気です。
それぞれの時期で大事になることは、変わってきます。またちゃんと病院に行って薬を使うことで症状は改善しやすいです。それが正しいアトピー性皮膚炎の付き合い方です。
悩んだ時には、まず病院で診断してもらうことを覚えておけばアトピー性皮膚炎と正しく付き合っていけます。
参考文献
1、西岡清「アトピー性皮膚炎で悩むのをやめる本」,2014年/株式会社A・M・S
2、田上八朗「スキンケアの科学」,2015年/南山堂
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