一般的な言葉となってきているヘルスケアが表す範囲は大きく、医療分野だけでなく経済価値を表すこともあります。
そんな中、近年の医療業界では産業リハビリテーションと言われる企業に対して、リハビリテーションを提供して経済的な価値を生み出すことを目的とした試みがあります。
今回の記事では、産業リハビリについてお伝えしていきます。
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産業リハビリとは、労働者の健康対策を行う方法の一つです。
主な目的は、健康障害の予防と健康の保持増進であり、労働安全衛生法に基づいています。
その産業リハビリに、すでに病気になっている人だけなくこれからなる可能性がある人を予防するために、理学療法士と言われるリハビリの専門職の介入が始まっています。
身体の専門家である理学療法士が入ることで、多くの勤労者が悩んでいる腰痛や肩こり、メタボリックシンドロームの予防が可能です。
そこに理学療法士が参入することで、本来不調により仕事のパフォーマンスが落ちるはずだった分を改善することができればかなり生産性の高い会社になり業績がアップします。
その経済効果は1000人規模であれば、年間数億円以上とも言われています。
メタボリックシンドロームや肩こり、腰痛に対して身体の専門家である理学療法士が関わることで予防します。その方法は、企業に参入し症状が出ている人に問診をします。
そこからその人に合った一人で出来る運動を指導して、症状を改善できるように導きます。
また他にも、予防をするためにどういった症状が出たり、どんなことを生活で気を付ければ症状が防げるかといったことを社員の人に指導します。
またパソコンを使ったオンラインでの指導や、アプリを使って隙間時間に活用してもらう方法に増えています。
腰痛を例に挙げると、腰痛の場合大まかに原因となるタイプがあります。
なので問診で、いつから、どこが、どんな痛み、どのくらい痛いのかを聞いていきます。そこからある程度原因を絞った問診を続けていきます。
そうして原因が分かれば、次にどんな運動が効果的なのか実際に見せながら指導します。
後は、自主トレーニングとして紙面を渡すもしくはアプリを使ってもらい自宅や仕事の休憩時間に継続して行ってもらいます。
定期的にその後も問診を行い、症状の変化を見極めていき、必要があれば自主トレーニングの内容を変更しながら改善を目指していきます。
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これが意外と知られていないもしくは行っていないことが多いのですが、実は病院でもスタッフに対して同じことをやっているところがあります。
病院スタッフに対して治療を行うことも、産業リハビリの1つです。
一見病院のスタッフ?と思われるかもしれませんが、一般企業よりも腰痛を持っていたり何かしらの不調を抱えているスタッフは多いです。
そのようなスタッフのケアをして、患者さんによりよいリハビリを提供することにつながるため非常に重要なことです。
他にも、怪我や病気によって社会復帰は果たしたがまだ本調子でないため、外来リハビリテーションに通い治療を受けている方がいます。
そのような方に対して、仕事内容を細かく問診しそれに必要な体の機能や動作を無理なく獲得できるようにアプローチすることも産業リハビリの一環です。
つまりは、会社の中だけでなく外でも理学療法士によって会社に利益をもたらすことができるというわけです。
会社は少しでも健康的にかつ生産性の高い職員を求め、国としても医療費が増えているので医療機関にかからないための仕組みづくりを推進しているので、これから産業リハビリテーションは時代に求められていくのではないでしょうか。
今回は理学療法士と産業リハビリテーション、ヘルスケアと経済効果について簡単に説明させて頂きました。
リハビリテーション=病院の中でやるものというイメージがまだ世間一般ではありますが、少しずつ医療の形も変わっていっています。
調子が悪くなったから病院ではなく、会社にいる理学療法士に相談してみようかな。そんな時代がもうすぐそこまで来ているのです。
会社を休めないから病院に行けなくて不健康になってしまうことがないようにどんどん産業リハビリテーションをみなさんにも利用してほしいと思います。
参考文献
1、産業医科大学「産業医が診る働き方改革」,2019/西日本新聞社
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・ケアマネージャーの役割を解説
・デイサービスの制度と種類
・飲酒をしたら勃起しなくなる理由知ってますか?
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