日本舞踊に憧れがあっても、いざ習い始めるのには勇気がいりますよね。
今回は、日本舞踊を習って2年になる筆者が、お稽古の内容と魅力について紹介したいと思います。
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日本舞踊には様々な流派があり、教室の雰囲気や指導方針も先生によって異なります。
まずはネットなどで教室を探し、見学のお願いをすると良いでしょう。カルチャーセンターで体験してみるのもよいかと思います。
私は、教室が自宅に近いこと、通い続けられるお稽古日数であること、を条件に探しました。
この希望に合う教室の先生に直接連絡し、体験稽古をさせていただくことにしました。
特にツテもなくネットで探して飛び込んだのですが、先生と私は巫女舞を習ったことがあるという共通点があり、初回から話が弾んだことを今でも覚えています。
基本的にお稽古は一対一です。何人かで踊る場合は、他の方と日程を合わせて一緒にお稽古します。私の先生は気さくな方なので、少し近況など話してから、お稽古に入ります。
最初は全体の動きを一緒に軽くさらう程度ですが、回を重ねるごとに、手の先の形、足の運び方まで細かく丁寧に指導していただきます。
型以外にも、お稽古に対する姿勢、感情表出の仕方など、精神面での指導もしていただきます。
日本舞踊は型の美しさも大事ですが、心の持ちようが大きく影響する舞台芸術ですので、心身ともに自分を高めていただける先生との出会いが大切だと思います。
次に、日本舞踊を習ってよかったと思うことを挙げてみます。
日本舞踊は、限界や欠点のある身体を、いかに美しく見せられるかが大事です。
自分がキツイと思うまで身体を活かして初めて美しい型になるのだ、と先生にも言われます。
確かに美しい型は、背中を反らせたり、首を曲げたり、負荷のかかる動きが多いです。
そのため1時間お稽古し終えた後は、ぐっしょり汗をかきます。
優雅に踊っているように見えますが、頭のてっぺんから爪先まで全身に神経を巡らせるので、ジムのトレーニングぐらいの、相当ハードな運動量になります。
上に運動になると書きましたが、他のスポーツとの違いは、他人との競争ではなく自分のペースで成長できるという点です。
学校や仕事は、期日内での数値や勝敗など、目に見える成果が求められがちです。
しかし日本舞踊は、他人との戦いではなく自分との戦いです。自分で自分を認めることは非常に難しいです。
しかし自分自身と向き合って磨くことにより、他人の評価を気にせず、自分に自信が持てる人間になれます。
お稽古でのみ美しくすればよいというわけではありません。舞踊の型には日常生活が表れてしまうものです。
そのため、日常生活でもきれいな姿勢や所作を心がける習慣が身につきます。
日本舞踊を習っている方は、小学生から大人まで年齢関係なく、魅力的な雰囲気がにじみ出ているように思います。
日本舞踊は、古典の話を題材にしているものがほとんどです。
そのため、違う時代や環境に生まれた人物を演じ、そのときの感情を表現する必要があります。
私は普段から感情表現が苦手なため、型を覚えることより演じることのほうが難しく感じています。
しかし日本舞踊を習ってから、前より自分の気持ちに向き合い、素直に表現することを意識するようになったと思います。
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個人的に悪い点はあまりないと思っていますが、こういうことも覚悟したほうがよいという点を挙げてみます。
日本舞踊のお稽古は、袖の扱いを練習するため、浴衣か着物が必要です。
よって荷物が重くなるのが難点です。
日々のお稽古は各教室次第ですが、1回1時間で3000〜5000円程度です。
また道具として、扇が3000円程度、練習用の浴衣や着物に1万円程度はかかります。
また発表会に出るなら、参加費用がかかります。着付け代、舞台代、写真代などを含めて5万円程度です。
自分が持っている着物で出演すればお金はかかりませんが、ちゃんとした衣装を着ると20万円以上はかかります。
上にも書きましたが、日常生活ではしない動きをするので、慣れるまでは筋肉痛や腰痛に悩まされます。
毎日少しずつ家で練習し、動きに慣れることが大事です。
人気な習い事として、子どもならピアノやお習字、若い女性ならヨガや料理などでしょう。
そうした習い事は、だいたい友達と一緒に始めるという場合が多いと思います。
しかし日本舞踊は、一緒に習ってくれる友達はほぼいません。
また、私の教室には子どもや若い女性が多いので、男性は環境に慣れるのに時間がかかるかもしれません。
ただ、同じ教室の人とは発表会などを通じて次第に仲良くなるので、世代を越えた新たな友達ができるという良さもあります。
日本舞踊のお稽古は日常生活の延長であり、日常生活が日本舞踊のお稽古だとも言えます。
また人生の全てが日本舞踊に繋がりますし、日本舞踊は自分の人生を豊かにしてくれます。
習いたいけど勇気がない人も、ぜひ一度見学してみてください。
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